解剖生理学

リラキシンの作用による骨盤の緩みと姿勢アプローチ

妊娠期特有のホルモンによる影響を理解し、関節破壊を起こさない優しいストレッチを学びます。

一、妊娠期ホルモン「リラキシン」が関節に与えるダイナミクス

多くの妊婦様を悩ませる「階段の昇り降りの際、股関節の付け根に痛みが走る」「立ち上がろうとすると恥骨周囲が痛くて動けない」という不調は、活動量が減ったからではなく、妊娠と同時に女性の体内を流れる「リラキシン」と呼ばれるホルモンに起因します。このリラキシンは、柔軟性を全身に届けることで、将来的に胎児が狭い産道をスムーズに通過できるよう、頑丈な骨盤結合組織(仙腸関節や恥骨結合の靭帯)を柔らかく引き緩める極めて重要な役割を担っています。

しかし、このホルモンの作用は局所的ではなく全身に作用するため、骨盤以外の膝、足首、手首といった日常的に負荷がかかる関節部分までもが一時的に不安定になります。靭帯が伸びやすくなった状態で、通常のハタヨガで行うような「股関節を激しく外へ開くアサナ」や「反動をつけて大きくねじる動作」を行うと、周囲の筋肉が関節を守ろうとして過剰防御(防衛収縮)を起こし、かえって特定の箇所に強い痛みを生じさせる原因となります。

二、プロップ(補助具)による「靭帯拡張の無力化と受動支持」

優花マタニティヨガ倶楽部が提供するポーズ選択は、この「緩んだ関節への負荷(重力)を完全にキャンセルする」ことを基本原則としています。例えば、股関節の柔軟性を高めるアサナを行うとしても、重力に対してお体をそのまま開ききることは絶対にありません。

膝の下、腰の後ろ、あるいは太ももの内側に、高反発のオーガニックコットンを使用したボルスターを重ねて配置し、脚が開く角度を安全な範囲内に固定します。このプロップスによる受動的アライメント調整により、関節が不安定な状態であっても、周囲の靭帯を引き伸ばしすぎることなく、大腰筋から骨盤底筋群までをしっかりと安定させて脱力に導くことができます。このように優しいアプローチであれば、お腹の張りを引き起こすことなく安全に受講を続けていただけます。

三、産前準備と早期リカバリーに果たす呼吸の重要性

プロップのうえに無理なく体を預けると、これまで痛みに耐え、こわばっていた腰周囲の筋肉群がホッと柔らかく弛緩します。お体の安全を感じることで、自律神経は副交感神経へとゆるやかに傾き、出産に伴う不安を解消し、深いリラックス状態が得られます。当倶楽部では、大阪高槻の閑静な空間の中で、妊婦様一人ひとりのお腹の大きさに完全にアジャストした安全なプロセスに基づきレッスンをご案内します。お産の痛みを逃がす呼吸とお体を整える知恵を、ぜひ当倶楽部でゆっくりと育んでいってください。

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